課題演習DDの内容説明(2024年度)

題名 担当教員 分野 前提 定員
粒の気象学 -雨粒と微粒子-
【PDFファイル】
重尚一
高橋けんし(生存圏研究所)
気象・気候・リモートセンシング 課題演習DBの履修 6名
本課題では,雨粒や微粒子(エアロゾル)といった気象学のなかの“粒”に関連した様々な観測データに触れる.レーザ(光)で得られた雨粒の大きさを表す粒径分布データやレーダ(電波)で得られた高時間・高分解能の雨の鉛直分布などを,プログラムを作成して可視化・解析するとともに,関連する英語文献の輪読を行う.また,エアロゾルの粒径分布データについても,光散乱計測法により観測する.天気予報やニュースで目にする「きょうのPM2.5は~」という情報には載らない,多彩な情報が得られることを実感してもらう.“どこ”で,“どのように”エアロゾルの粒径分布を測定するかは,受講生と相談しながら決める.
海洋力学演習
【PDFファイル】
吉川裕 海洋 計算地球物理学で行う程度のFortranの基礎知識 6名
演習を通じて海洋運動を支配する基礎力学と,その理解の手助けとなる数値実験の基本を習得することを目指す.一見不思議な海洋現象の原因を調べ解明するプロセスを体験することも目指す.赤道潜流をテーマとして取り上げる予定であるが,参加者の意向・志向によりテーマを変更する場合もある.
気象学総合演習
【PDFファイル】
石岡圭一
坂崎貴俊
気象 課題演習DB, 計算地球物理学・同演習, 地球連続体力学など 6名
以下の2つの内容に関する演習を行い,気象学の様々な研究手法に触れることを目的とする.(1) 観測・データ解析:信楽 MU 観測所(信楽町)を訪問し,大気レーダーの実物を見学しながら, その観測手法やデータ処理法について学ぶ. さらに, そこで取得されたデータなどの解析により,気象データ解析のノウハウを学びつつ, 大気波動・擾乱についての理解を深める. (2) 数値計算法・実験法入門:気象学・地球流体力学で用いる微分方程式の数値解法を学び,いくつかの具体的な初期値・境界値問題を解いて,その基本的力学を理解する.
磁場の観測と数値計算で宇宙空間を知る
【PDFファイル】
松岡彩子
今城峻
小谷翼
太陽惑星系電磁気学,太陽地球系物理学 課題演習DBの履修 6名
磁場は宇宙空間の動態を理解するために最も基本的な物理量であり、宇宙空間の観測研究を進める上で、磁場データの適切な解析・解釈は基本となる。地上および地球周辺、惑星周辺、惑星間空間における磁場観測の手法についての知識を得て、地上や探査衛星で実際に得た観測データを用いて現象を解析、理解する流れを学ぶ。(1)宇宙空間で起きる代表的な磁場現象の物理 (2)磁場測定の原理と方法、磁場観測値の校正とデータ処理 (3) 宇宙空間で起きる代表的な磁場現象の解析 (4)宇宙空間で起きる荷電粒子運動の数値解析 を講義、ゼミナール、実習形式で行う予定である。
地球と火星の超高層プラズマを探る
【PDFファイル】
田口聡
齊藤昭則
原田裕己
太陽惑星系電磁気学,太陽地球系物理学 課題演習DBの履修 6名
地球と火星の宇宙空間に存在するプラズマについて,その測定方法を学び,実際の観測データを計算機で解析することにより,プラズマのダイナミクスを理解することを目的とする.具体的には,以下の内容を行う:
1. 磁気圏から電離圏に流れ込むプラズマ流とオーロラ発光強度分布のデータの解析
2. 国際宇宙ステーションとGNSSによって取得された超高層プラズマ変動データの解析.
3. 火星のミニ磁気圏に関わるプラズマと磁場データの解析.